2013年07月

昭和測器株式会社のブログ
 こんにちは。昭和測器のSです。今回は、最近読んだ本で感心したものを紹介します。夏井睦「傷はぜったい消毒するな=生態系としての皮膚の科学=」(光文社新書)です。

普段何気なくしている事や、皆がしている事の中に、よく考えると何故それをするのかわからないものが結構あります。この考えは医学界の中にもあって、治療の方法で“傷は消毒する、傷にガーゼを当てて乾かす”という治療法もその一つだと言います。筆者は10年前この治療方法が、科学的な根拠のない単なる風習に過ぎない事に気がつきました。

 実は1960年頃から「傷が治るとはどういう現象か」の研究で、傷が治るメカニズムが解明されてきたのに、何故かその知識は、実際の医療現場には全く伝えられていないそうです。筆者は、形成外科のお医者さんで、実際に現場で治療している人です。その後夏井先生は、傷が治るメカニズムに沿った治療を続け、工夫の末に「傷の湿潤治療」を提唱しました。それは、「傷を消毒しない、乾かさない」という二つの原則を守るだけで、驚くほど早く、しかも痛くなく傷が治ってしまうという。  
 一番驚いているのは治療をしている当の医師だといいます。これだけ効果があるのにこの治療法は普及せず、「消毒廃止」に反対する医師が予想以上に多かったという。

 実は私は、この治療方を知ったとき、すぐに賛成できた。と言うのは、私は数年前から似た方法を実行していて、その驚くべき効果に気づいていたからです。それは“馬油”(ばーゆ)です。最初は人から聞いて使ってみた。火傷・切り傷・化膿・虫さされに実際効果があった。あるとき、ナイフでかなり深く指を切った。血が勢いよく流れ出した。いつもなら赤チンで消毒し、包帯を巻くのだが、赤チンが非常に傷にしみる事を知っている。これだけ深い傷だと、相当の苦しみになると思い、馬油を使ってみた。ガーゼに馬油を厚めに塗り、包帯をまいたところ、痛みは全くないし、数日たっても化膿もしない。これですっかり馬油を信用した。消毒もしないのになぜ化膿しないのだろうか?馬の油に不思議な治療効果があるのだろうか?と永年不思議に思っていたが、この本を読んで謎が解けた。私は将に湿潤治療をしていたのだ。

 人間の体にはもともと、外から進入する細菌を撃退する力が備わっている。傷は細胞が成長して塞ぐ。傷ができると盛んに出てくる浸出液は細胞成長因子を含む。消毒するということは、細菌を殺すが自分の細胞をも殺す。乾燥させることは、これまた細胞が干からびて死ぬことを意味する。だから、消毒せず傷が乾燥しないように覆ってやれば自然に治ってしまう。

では、実際に何で覆えば良いのかというと、夏井先生は素材として、ハイドロコロイドとプラスモイストというものが良いと言う。このうちハイドロコロイドは、バンドエイドから「キズパワーパッド」と言う名で商品化されている。
 
使い方は違うが、同じような効果を持つとして、夏井先生は、白色ワセリンを薦めている。ワセリンは、ボクシングで選手が顔を切るとセコンドがあわてて塗っているやつで、目に入っても無害な証拠だ。

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